蒼き瞳~月の姫と悪魔~


リノン「…まだ動けるの?」


ここで負けたら…私はっ…
刺し違えてでもリノン様は殺す!


私はゆっくりと立ち上がった



リノン(杏の魔力は私がコントロールしてるし痺れ薬が効いてるはずなのにどこにこんな力が…)


その時杏の魔力はぐんと上がった


まわりの空気が変わる
杏は本来の朱雀の姿になっていた


リノン(朱雀の姿…!
まさかここまでだとは思わなかったわ)



リノン「でも甘いわね」



リノン様が杖をふると一瞬で朱雀から人の姿に戻ってしまった


魔力が一瞬で消えた!?どうして!?

私の腕には錠がついていた



リノン「やっと静かになったわね」



そしてゆっくりと私に近づいて来た


杏「……!」


力が入らない!
この錠…私の魔力を吸い取ってる!


リノン「ふふっ動けないでしょ?
それは私が作った魔力封じの錠よ
すごいでしょ?」


カツンと靴音を鳴らしてリノン様は目の前まで来た


不敵な笑顔が恐怖を誘う

このままじゃ…殺される!


リノン「ふふっ怯えてるわね。死ぬのが怖い?」



私は言葉が出なかった



リノン「でも安心してあなたはまだ殺さないわ
あなたにはまだ働いてもらわなきゃいけないからね
殺すのは全てが終わった時よ
あいつ等を殺した後でね」



まさか私を使って冬夜達をっ…!?



杏「やめてください!
あなたのしてる事は間違ってる!」


バチンッ…


しかしその声は届かず私はリノン様に殴られた


リノン「誰に向かって言ってるの
私の計画は誰にも邪魔はさせない
ウジ!サジ!杏を連れて行きなさい」


私はそのまま牢に入れられた
込み上げて来るのは悔しさと悲しみだった

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