蒼き瞳~月の姫と悪魔~
第2部 守るために

…俺は皆が慰霊卑まで来ていた
そこに彫られている父さんの名


冬夜「父さんは母さんを守って死んだんだよな
死んだけど父さんは幸せだった

なら…俺だってそうだ
父さん、俺に力を貸してくれ」


よし…覚悟は決めた
バレたら母さんに怒られるな


けど俺の故郷も杏も全部自分で守りたいんだ
もう守られるだけの子どもじゃないんだ


かつての父さんのように俺は自分で戦う!


冬夜「ごめん母さん」


俺はそのまま月を抜け出した




*華夜*


華夜「ふー…」



エマ「少しお休みになって下さい
この所ずっと霊力を使って休んでいないじゃないですか
傷もまだ完治したわけではないですしリノンの事もあります。あまり無理なさらないで下さい」


華夜「そうね。そうさせて貰うね
少しここをあける。留守は頼むねエマ」


私は真っ直ぐある所に向かった
そこは……


華夜「…柚綺……」


そう慰霊卑
来る途中で摘んだ花をそっと置いた



華夜「…もう16年経つのね…
冬夜も大きくなったよ…
これからまた大きな争いが起こる

でも安心して
あなたの分も私はあの子を守るから…」


さて、そろそろ戻らなきゃ…


私がそこを後にしようとした時




『か…ゃ……』



えっ…?
私はすぐに振り返ったがそこには誰も居ない


気のせい?
でも確かに聞こえた…



するとまた聞こえた


『…が……な…ぃ…』

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