蒼き瞳~月の姫と悪魔~


冬夜「ここがリノンの城か…」



西の外れにある日の光が届かない薄暗い世界


調べた通りだな
かすかだけど杏の魔力もここから感じる


早いとこケリつけて戻らないと…


俺は1歩また1歩足を踏み入れた
油断するな。ここはもう敵の領地…



リノン「…あらあら誰かが入って来たと思ったらあなたなの?」


気付くと目の前に1人の女が立っていた



いつの間に!?
俺が気配に気付かないなんて…
こいつ…ただ者じゃない!


リノン「ふふふ、ようこそ我が城へ
歓迎しますわ冬夜王子?」



冬夜「俺の事知っているのか」



リノン「当然ですわ。今日はどういったご用事で?」



冬夜「杏を取り返しに来た」



リノン「なんの事かしら」



冬夜「とぼけるな
確かにここから杏の魔力を感じる」


リノン「へえ…さすがは華夜の子どもね
でもあなたを通すわけには行かないわね」



さっきまでの笑顔とは違い狂気が渦巻く


かなりの魔力だ…
仮にも母さんとやり合った相手だ
油断は出来ない…
でもここで退くわけにはいかない


俺は星蘭を鞘から抜いた



冬夜「押し通る!」



俺は真っ直ぐリノンに立ち向かった
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