蒼き瞳~月の姫と悪魔~
その日もいつもと変わらない小さな日常だった
エマ「ねぇ、如月の夢って何?」
如月「え?どうしたのいきなり…」
エマ「ちょっと思っただけよ
で、どうなの?」
如月「んー…夜光様のお側に居られればいいかな」
エマ「なにそれ。夢でもなんでもないじゃない」
如月「夜光様は本当に素晴らしい人なんだ
落ちこぼれの俺を拾ってくださって、前までくれたんだ
夜光様は心の広い優しい方なんだ!
あの人の為に働けるなら本望だよ!」
エマ「ふーん…如月は本当に夜光様が好きね」
如月「エマだってそうでしょ?
華夜様の事でいっぱいのくせに」
エマ「…うるさい、私は姫様が好きなの
姫様に助けていただいたこの命、姫様の為に使うの」
如月「かっこいいねエマは
エマなら大丈夫だよ。すごい強いし
僕なんて夜光様に修行つけてもらってるのに落ちこぼれのままなんだから…」
エマ「弱気にならないでよ
夜光様をお守りするって強気に言ったのは誰なの?
…如月なら大丈夫だよ
あなたには強い力があるから」
如月「エマ本当…!?」
エマ「なによ…私は嘘なんかつかない」
如月「へへっエマは優しいね
――――…ねぇエマ、もし俺がエマの敵になったらどうする?」
エマ「いきなりなにその質問
如月が敵なんて絶対にあるわけないじゃない」
如月「例えばの話だよ」
エマ「例えばの話でも私は如月を殺さない」
如月「エマは…優し過ぎるよ」
エマ「でも!姫様に危害を加えるようなら例え如月が相手でも容赦はしない」
如月「……それでこそ俺の知ってるエマだ
まぁ、エマの敵になるなんてそんな事絶対にないけどもしそうなったらエマが俺を止めてね」
――――――…
今…目の前に居るのは紛れもない如月
でもリノンに操られ私達に牙を剥く
"俺を止めてね"
"エマはお2人を守るんだ"
エマ「如月、約束は守るよ…
今のあなたは姫様に牙を剥く者
ならば私はあなたを倒す!」