蒼き瞳~月の姫と悪魔~


リノン「もう少し楽しめると思ったのに」



杏「…ならもう少し楽しませてあげます!」



リノン「杏!?なんで生きてるのよ!」



リノンはとっさに振り返って突き刺したはずの杏を見た


その杏はゆっくり姿を消した



リノン「まさかさっきのは幻影!?」



杏「その通りさっきのは蜃気楼で作った幻
リノン様が幻に気をとられてる間に準備は整いました」




リノン「なによこれ!」


リノンの周りにはふよふよと浮かぶ小さな赤い炎


杏「もう一瞬の隙もあなたには与えない!」



リノン「調子に乗るな!」



リノンは呪文を唱えだした




―――今だ!



杏「秘術!火鉢炎華!!」



その瞬間浮遊していた小さな炎が一斉に光りリノン様を巻き込んで大きな爆発を起こした―――



杏「…はぁ…はぁ…」



かなり妖力を使ってしまった…

リノン様の弱点…それは魔法を使う為
呪文を唱えてる時
呪文を唱えてる時は動きが必ず止まる

そのたった数秒の隙…



杏「早く冬夜の所に…!」



私は急いで向かった




―――…ガラガラガラツ…



がれきの中から立ち上がる影



リノン「杏…!
よくも私をこんな目にあわせてくれたわね!

許さないわ!殺してやる!!」


あの爆発の中リノンはまだ生きていた


リノンはそのまま杏の後を追いかけていった
< 205 / 230 >

この作品をシェア

pagetop