蒼き瞳~月の姫と悪魔~


華夜「…くっ」

すごい勢いで霊力を吸われてく……
この妖魔、相手の力を吸い取って自分のものにするのか…

避けても良かったけど後ろの悪魔を攻撃する可能性もあるし…

これ以上…誰かが殺されるのは見たくないから


私はゆっくり星蘭を抜いて妖魔の後ろから突き刺した



*ルイス*


妖魔「ぐあっ!」


俺の目の前で妖魔は刺されて一瞬で光となって消えていった


これが妖刀、星蘭の力か
目の前で見たのは初めてだな


俺は月の姫の後ろ姿をずっと見ていた

その姿に少し違和感を感じた


…表情は見えないがどこか悲しそうで寂しそうなそんな雰囲気があった


それにしてもだ
俺がいくらこんなに傷を負っていても悪魔に対して背中を向けるのはこいつ等にはご法度のはず


油断し過ぎだろ



……クラッ…


くそ……
頭がふらついてきやがった



華夜「…さて……次は…」


くるっとこっちを向く
俺は姫と目が合った



殺される……逃げねえ…と……


だけど俺はそこで意識を失った




ルイス「…ぅ…」


次に目を覚ましたのはベットの上だった

…どこだここ
それに…なんで俺は生きてる

あの時あいつに……



俺はゆっくり起き上がった



華夜「あら、もう目が覚めたの?」



ルイス「…!!」



なんでこいつが!?
ここにこいつが居るって事はまさか…ここは…月!



華夜「あまり動かないほうがいいわ
傷が開くから…」


そうだ…っ傷は!?


俺は慌てて傷に目をやった
傷口は綺麗に手当てされていた
というかもう治りかけている…


華夜「私達に代々伝わる秘伝の傷薬なの
即効性ですぐ効くけどまだ大人しくしていてね」


……傷薬?こいつが手当てしたのか?


なんで…どうして敵である俺を助ける…



こいつ一体……
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