蒼き瞳~月の姫と悪魔~

って…馴れ合ってる場合じゃねぇな
早くここから出ねぇと…

だけどその前にどうしても確かめなきゃいけないことがある


柚綺「…華夜」



華夜「はい?」



柚綺「何故……俺を助けた」



不思議だった。俺を助けた事――…


そして今の華夜には殺気すら感じられない


情けをかけたのか
それとも―――…



次に来る言葉に俺は唖然とした



華夜「……あなたには生きていてほしかったから」


…生きていて……?


なんで…そんな事が言える!!



柚綺「ふざけてんのかっ!
俺は悪魔だぞ!お前にとっては敵のはずだろ!

その俺に生きていてほしかったって…」



話の途中でスッと華夜は俺に触れた


華夜「…あまり大声を出さないで

気に触ったのなら謝ります
でもあなたは私に…似ていた気がしたから」


……似ている?俺と…お前が?



この答えを知るのはずっと後になる



華夜「…ふぅ」



小さく溜め息をついた華夜



華夜「あなたが大声を出すからバレてしまったじゃない…」



勢いよく部屋のドアが開いた


エマ「姫様!!」


こいつは確か…華夜の付き人の雪女…


その雪女と目が合うと雪女は驚いた表情で俺を見る



なんだ?



エマ「姫様…」



華夜「エ、エマ待って…これは…」




エマ「これはどうゆう事ですかっ!!
何故ここに…悪魔がいるのです!」



はあ?




華夜「エマこれにはわけが…」




まさか…付き人にも黙って俺を連れてきたのか…?


…にしても月の姫と恐れられてる者があんなおどおどしているとは…
こんな一面もあったのか…


華夜…か。変な女だな……
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