病院は大嫌いでも、先生は『大好き』
ーガラッ
部屋に着くと優しくベッドの上に降ろしてくれた。
『先生、ありがとう!』
『ああ。 じゃあ、大人しくしていてね もし、何かあったらナースコール押すんだぞ』
『……………うん』
先生いっちゃうのか………。
寂しいなあ
忙しいし、わたしにばかりかまってられないことはわかっているのに、心のどこかでは先生にそばにいてほしいと思ってしまう。
『そんなに悲しそうな顔をすんな。
また、すぐにくるから大丈夫だよ』
そう言ってわたしの頭をポンと優しく撫でてくれた。
『うん…… もしかして顔に出ていた……?』
『出ていた。 遥香ちゃんが悲しいときっていつも下を向いて黙っているからな。 また、様子を見にくるから大丈夫だよ。 じゃあ、そろそろいくからな。』
そう言って微笑んで病室から出ていった。