先生は救世主




「お前も行けばいいのに。」


「はいはい。行きますよ。
んじゃ明梨嗄、先行ってるから。」


「あ、うん。」


朔也は、あたしたちに、気を遣ってくれたんだろう。
走って先に行ってしまった。

慶助さんと、二人きりになった瞬間、飛行機での朔也の言葉を思い出す。

“兄貴のこと、本気なんだよな?”

本気だよ。

今は、って言うか、最初から。
あたしを“必要”って言ってくれたときから。



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