アフター7の婚約者サマ!?
「姫川最近全然笑ってなかったからさ。おまえの笑顔でもちょっと恋しくなっただけ」
佐田君は「よっ」と弾みをつけて、自分の席に座ると
「まぁ…それが俺のせいだったら謝るけど」
私の机と反対方向に、頬杖をつきながら言った。
「ち、違うよ!」
佐田君にデートのことを聞かれたときは、びっくりしたけど。
月曜日に会社で会ってからは、普通に接してくれているし、先週のことにも触れていない。
だから私と佐田君の関係は今までとひとつも変わっていない。
変わってしまったのは……八王子さんとの関係だもん。
「……それならいいんだけど」
佐田君は頬杖をついたまま、振り返らずに呟いた。
「佐田、姫川!」
私達が振り返ると、そこにいたのは八王子さんだった。