アフター7の婚約者サマ!?


「姫川最近全然笑ってなかったからさ。おまえの笑顔でもちょっと恋しくなっただけ」


佐田君は「よっ」と弾みをつけて、自分の席に座ると

「まぁ…それが俺のせいだったら謝るけど」

私の机と反対方向に、頬杖をつきながら言った。


「ち、違うよ!」


佐田君にデートのことを聞かれたときは、びっくりしたけど。

月曜日に会社で会ってからは、普通に接してくれているし、先週のことにも触れていない。

だから私と佐田君の関係は今までとひとつも変わっていない。


変わってしまったのは……八王子さんとの関係だもん。

「……それならいいんだけど」

佐田君は頬杖をついたまま、振り返らずに呟いた。


「佐田、姫川!」


私達が振り返ると、そこにいたのは八王子さんだった。

< 131 / 231 >

この作品をシェア

pagetop