アフター7の婚約者サマ!?
けれども……
いざ、連絡先を聞こうと意気込んでも、八王子さんを前にするとドキドキしてうまく言葉が出てこない。
その繰り返しで結局聞けずじまい。もちろん進展なんて0に等しい。
恋愛に奥手な私には、相応しい結果。
だから、私達はいつまでたっても上司と部下。
同僚という関係をこれからも続けていくのだろう、そう疑いもしなかったんだ。
あの事故が起こる、その瞬間までは……。
「やっぱり、八王子さんのプレゼンはすごかったです!あ、でも!もぉー少し笑った方がいいかも、なんて思ったりして~」
言葉をつまらせる私を見て、佐田くんが一歩前に出た。彼なりにフォローしてくれてるのだろう……
って佐田くん何言ってるの!
佐田くんは何もわかってない。八王子さんはあのクールなとこがかっこいいんだもん。
「 …お前じゃないんだから、面白くないのにヘラヘラできるか」
呆れたように八王子さんが言い放った。