アフター7の婚約者サマ!?


けれども……

いざ、連絡先を聞こうと意気込んでも、八王子さんを前にするとドキドキしてうまく言葉が出てこない。

その繰り返しで結局聞けずじまい。もちろん進展なんて0に等しい。

恋愛に奥手な私には、相応しい結果。


だから、私達はいつまでたっても上司と部下。

同僚という関係をこれからも続けていくのだろう、そう疑いもしなかったんだ。

あの事故が起こる、その瞬間までは……。


「やっぱり、八王子さんのプレゼンはすごかったです!あ、でも!もぉー少し笑った方がいいかも、なんて思ったりして~」


言葉をつまらせる私を見て、佐田くんが一歩前に出た。彼なりにフォローしてくれてるのだろう……


って佐田くん何言ってるの!

佐田くんは何もわかってない。八王子さんはあのクールなとこがかっこいいんだもん。


「 …お前じゃないんだから、面白くないのにヘラヘラできるか」


呆れたように八王子さんが言い放った。

< 6 / 231 >

この作品をシェア

pagetop