アフター7の婚約者サマ!?
「え~!
八王子さんは笑っていたら、もっとモテると思いますよ~」
「俺は別にモテたくない」
「そんなにカッコイイのに勿体無いですよ。八王子さんが本気出せば、可愛い彼女なんてすぐできますって。
そう思うよな、姫川!」
「えっ?」
さ、佐田君……!
それ私に振りますか!?
恋愛に興味ないって言ってる人に、彼女できるはナシだろう。
かと言って、できないって言ったら八王子さんに失礼すぎる。
……って、ちょっと待って!!
それ以前に八王子さんに彼女できたら私が嫌だよ!!
でもそんなこと言ったら好きってバレちゃうよね……
うぅ……
なんて言ったらいいの!?
一人とまどい、ぐるぐると思考を巡らすけど、思いつくはずもない。
何も言えずに立ち尽くしていると……
「おい、佐田。
姫川が困ってんだろ。おまえのバカ話に姫川を巻き込むな」
………え?
八王子さんの方を向くと、眉間に皺をよせ、佐田くんを睨みつけていている。
「はぁーい……」
八王子さんに怒られて佐田くんはしょんぼりとうつむいた。
八王子さん…
何も言ってないのに、私が困ってるの気づいてくれたんだ。