アフター7の婚約者サマ!?
「…咲人?」
呆然としている八王子さんに気づいた航平さんが、不思議そうに肩を叩く。
「っ悪い。ボーッとしてた」
そう答える八王子さんの表情は元に戻っていて。
私はホッと胸を撫で下ろした。
「おまえ疲れてるんだろ?最近残業ばっかみたいだし」
「かもな。悪い、せっかく飲みに来てるのに」
「いいって!そろそろいい時間だし、今日は解散にするか!」
航平さんの提案で、今日はお開きとなった。
八王子さんと店を出て、夜の街を歩いてく。
けれど、さっきの表情が気になって、私は何も言えないまま。
「…悪かったな。いろいろ聞かれて大変だっただろ」
ふと、沈黙を破ったのは八王子さんの方だった。
「私の方こそ…ちゃんと答えられなくてごめんなさい」
「いや、おまえの対応は間違ってない。
美香のやつ…デートコースを聞いたとき、嘘も混ぜてたから」
「…え?」