アフター7の婚約者サマ!?
「いくら打ち合わせしたって、今回みたいなことは答えずらいだろ?
それならいっそのこと出かけてしまえば、俺がどんなデートをするかわかるだろ」
「そうですけど…」
今でも八王子さんと話せて連絡取れるだけで幸せなのに。
休日に出かけるなんて夢みたいなこと…
「嫌なら無理にとは言わないけど」
「そんなことないですっ!行きたいですっ!」
嫌なわけないって思ったら、つい叫んでしまった。
八王子さんは少し驚いたような言い方で。
「おまえ、そんな大声出るんだな」
「こ、これは…」
わ、私またバカやって!
これじゃあ八王子さんを好きって言ってるみたいじゃん。
「大人しいのもいいけど、そういうのも悪くないな。じゃ、そういうことで週末頼むな」
八王子さんはハハッと笑って、私の頭を撫でた。
職場ではクールでほとんど笑顔をみせない八王子さん。
それなのに、婚約者になってからは、当たり前のように笑いかけてくれる。
夢みたいに幸せだよ…。
けれど…。
時々頭をよぎるのは美香さんに向けられた、八王子さんのあの切なそうな表情だった。