笑顔、こもれび。

彼女は夏目くんの言葉に、一瞬だけ悲しそうな顔をする。

そしてすぐに小さくわらうと、目を伏せた。


「....ありがと。でも、あいつが他の子をすきになっても、私は文句言えないよ」

「言っていいんだよ。彼女は朝木なんだから」


...私にはもう、何も言えなかった。

私の下手な慰めなんかより、彼女のことをいつも見ていた彼の言葉の方が、ずっと、ずっと強く響いたからだ。

朝木さんは、必死に涙を堪えているようだった。

それでも無理をしてわらう彼女は、弱々しくて。

「私は幼馴染みで、今までいちばん近くにいたけど。他の綺麗な女の子に言い寄られたら、コロッといっちゃうかも」

そんなこと、ない。

絶対、絶対ないよ。

朝木さんは、朝木さんは....


「朝木は、綺麗だよ」


.....凛とした、声。

なんでもないことを言うように、それでいて、強くて。