笑顔、こもれび。
きみが抱え続けたその想いが、一体どれほどの重量なのかは、私にはわからないけど。
ちゃんと、伝わってるよ。
きみがあんなにもまっすぐ、やさしく、透明なほど純粋に、すきなひとをすきでいたこと。
いつもいつも、木漏れ日の揺れる中庭を、見つめていたこと。
....私にはちゃんと、伝わってるよ。
夏目くんは私の顔を見ると、ぎゅっと唇を噛んだ。眉を寄せて、目を細める。
「西森のくせに、うるせーよ....」
いつもの憎まれ口。
だけどそんな言葉さえ、私の胸を締めつける。
彼の瞳にじわりと溜まっていった雫が、いとおしかった。
ひとりでなんか、終わらせない。
閉じ込めたままになんか、させない。
私の中に降り積もっていった想いも、きみの気持ちも、ぜんぶぜんぶ抱きしめてあげる。