幼なじみ以上恋人未満【完】
STEP1

私の好きなヒト





笑った時にできるえくぼや、女の人が羨ましがるくらい長い睫、綺麗な茶色の瞳にスラッとした高い鼻。




ずっと見ていても飽きないくらい美しく整っているその横顔を、私はバレないようにずっと見つめていた。






それなのに………






バッコォ―――ン!!!








突然、丸められた教科書で頭を叩かれた。







「唯。ちゃんと聞いてんのかよ!?」






叩いたのは、私の好きなヒト。






高橋優斗(たかはしゆうと)……くん。





優斗はひとつため息をついて、丸めた教科書を元に戻した。







「こいつ絶対聞いてねーよ、アホづらしてたし」





そう言ったのは向かい側に座っていた、私の二つ年上のお兄ちゃん、桐谷蒼空(きりたにそら)。



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