幼なじみ以上恋人未満【完】
「優斗やめとけって!」
一つ年上の先輩が止めに入った。
隣のレーンで接客していた唯も心配そうにこっちを見つめている。
「てめーらが狙ってる女は俺の女だから。待ち伏せしたって意味ねんだよ、とっとと帰れ!」
迫ってくる客の胸倉を、俺は強く掴んで持ち上げた。
唯になんかしたらただじゃおかねぇ…
ぶっ殺して八つ裂きにしてやる。
そんな俺の思いが伝わったのか、男はあっけなく怯んで車内に入った。
「くそっ…覚えてろよ」
運転席の男が捨て台詞を残し、すごい勢いでガソスタを出て行った。
騒ぎを聞きつけてサービスルームから店長が駆け付けた。
「すいません…」
俺は頭を下げたが、店長はなぜか笑顔で。