幼なじみ以上恋人未満【完】



6月中旬。


私達は電車に乗って隣の県にあるシーランドへ向かった。



電車の中では男女に分かれて座っていたけど、到着してからはカップル同士で歩いている。


お兄ちゃんと彩さん、優斗と美緒はカップルだけど…


私と渉君はカップルじゃない。


なんかそれもちょっと気まずいんだけどね。



美緒は私の耳元でこっそり“がんばれ!”と言ってくれたけど…


何を頑張ればいいのやら。


優斗と美緒が並んで歩いているその後ろを見るのも辛い。


そんな私に気づいたのか、渉君が声を掛けてくれた。



「唯大丈夫?なんか顔色悪いけど…」



「うん、大丈夫大丈夫」



昨夜、今日の事を色々考えていたらなかなか寝れなくて。


ちょっと寝不足気味だった。

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