幼なじみ以上恋人未満【完】
彩さんとお兄ちゃんが言い合いしている横で、美緒が優斗に話しかけていた。
「遅くなってごめんなさいっ…ビーサン忘れて買いに行ってたから…」
「別にいいけど。それよりほら、手のとここれ巻いとけよ」
そう言って優斗が美緒にビニールのようなものを渡していた。
骨折してる部分をカバーするものだよね。
優斗、やっぱり優しいな。
美緒は嬉しそうに笑っていた。
ズキンと胸が痛む。
他の女の子に優しくしてる所なんて本当は見たくない。
こうなることはわかっていたのに…
やっぱり来なければよかったのかな…
お兄ちゃん達もさっきは言い合いしていたけど、今は彩さんの肩に腕を回してて仲良さそう。
だよね、彩さんのことを狙う男の人多そうだし…。