幼なじみ以上恋人未満【完】
知らぬ間に手が震えていた。
「渉君…私もう無理…やっぱり優斗のことが好きだから…苦しいよ…」
私は渉君の腕にすがって泣いた。
“優斗が好き”って初めて誰かに言った。
こんなこと、渉君以外には絶対言えない。
渉君はポンポンと頭を撫でてくれた。
「唯…それ、言う相手間違えてるよ」
「…え?」
「その気持ち、ちゃんと優斗に伝えなきゃ」
「でも…優斗は美緒と…」
「唯は美緒ちゃんを裏切っちゃうって思ってるのかもしれないけど、そんなことないんじゃないかな。伝えないままモヤモヤした関係でいるより、ずっとイイよ。美緒ちゃんだって唯が本気で悩んでいるならちゃんとわかってくれると思うよ。本当の友達なら、そんなことで壊れたりしないでしょ」
それはそうなんだけど…
優斗の反応も怖い。
告白して今までの関係が壊れたら?
ぎくしゃくしたくない。