幼なじみ以上恋人未満【完】
STEP3
必死なオレ~優斗side~
優斗side―――
唯の手が震えていた。
泣かせるつもりはなかったのに…
俺、なにやってんだよ。
唯と渉がイチャついててむかついたからって…唯に八つ当たりした。
最悪だなホント。
「先輩…唯となにしてたんですか?」
「え?」
「さっき…手握ってましたよね?」
休憩所から室内プールへ向かう途中、美緒が不安そうな顔をして言った。
やっぱり見られてたか。
「あー…。ちょっと言い合いになってさ、叩かれそうになったんだよ。あいつ気つえーだろ?そーいう喧嘩日常茶飯事だから」
笑ってみせたけど、美緒は無表情のまま。
結構無理がある言い訳だったかもな。
「そうですか…」
美緒はそれ以上何も突っ込んでこなかった。
ごめん美緒…
不安にさせてるよな。