幼なじみ以上恋人未満【完】
家から徒歩10分くらいのところにある公園に行くと、すでに美緒がブランコに座っていた。
私の姿に気づくと、笑顔で手を振ってくれた。
「ごめんね、こんな時間に…」
「ううん、美緒こそわざわざこっちまで来てくれてありがとう」
私は変にドキドキしていた。
なんの話だろう。
重大な話だということには間違いない。
でも美緒はいつもと変わりない顔をしている。
隣のブランコに座ると、美緒は私の方を見つめた。
「今日…突然帰ってごめんね、何も言わなくて…」
「ああ…ううん、優斗とどっか遊びに行ったの?」
「うん…先輩の家に行ったの」
ドクンと心臓が鳴った。
優斗の家に…ってことは…
美緒はわざわざそのことを言うために私を呼んだんだろうか。
それならば聞きたくない…
帰りたい。
そんな話を聞いたら、私どんな顔したらいいのかわからないよ。