幼なじみ以上恋人未満【完】



家から徒歩10分くらいのところにある公園に行くと、すでに美緒がブランコに座っていた。


私の姿に気づくと、笑顔で手を振ってくれた。



「ごめんね、こんな時間に…」



「ううん、美緒こそわざわざこっちまで来てくれてありがとう」



私は変にドキドキしていた。


なんの話だろう。


重大な話だということには間違いない。


でも美緒はいつもと変わりない顔をしている。


隣のブランコに座ると、美緒は私の方を見つめた。



「今日…突然帰ってごめんね、何も言わなくて…」


「ああ…ううん、優斗とどっか遊びに行ったの?」


「うん…先輩の家に行ったの」



ドクンと心臓が鳴った。



優斗の家に…ってことは…


美緒はわざわざそのことを言うために私を呼んだんだろうか。


それならば聞きたくない…


帰りたい。


そんな話を聞いたら、私どんな顔したらいいのかわからないよ。



< 164 / 240 >

この作品をシェア

pagetop