幼なじみ以上恋人未満【完】
「はやっ」
その声に振り返ると、優斗が笑って靴を履いていた。
耳にしていたイヤホンを外してバッグに入れている。
「絶対待つだろうと思ってたのに、お前の方が早いとはね」
「授業終わって、即行来たもん」
「どんだけ楽しみにしてたんだよ」
そう言って笑う優斗もすごく嬉しそうで。
「ま、俺も楽しみにしてたけど」
そんなセリフを簡単に口にしちゃう優斗はやっぱり前とは違う。
私とは本気で付き合ってくれてるんだってわかるから、嬉しくなる。
「街ってどこに行くの?」
私の右手を握った優斗の顔には、薄く笑みが浮かべられていた。
「付き合った記念に欲しいもんがあるんだよね」
辿り着いた場所はシルバーアクセサリーのお店だった。
記念に欲しいものって…
もしかして指輪とか…?