幼なじみ以上恋人未満【完】
私は優斗を後ろからぎゅっと抱きしめた。
「な、なんだよ急に」
「ううん…。優斗、私が側にいるからね…?」
なんだか後ろ姿が寂しく見えて、急に愛おしく感じた。
「俺、お前がいれば他になんもいらねーから」
振り返った優斗の顔は暗くて良く見えなかったけど…
私の頬に両手を添えて、おでこに優しいキスを落とした。
その時、突然パチンと電気がついた。
驚いて振り返ると、そこには優斗のお母さんが立っていた。
「あなたたち…なにやってるの!?」
奇妙な物でも見たような目つきで私を睨んでいる。
「優斗のお母さん…」
優斗はハァと短いため息をついた。
「優斗…桐谷さんの娘と付き合ってないって言ってたわよね?どうして!?」
「……」
そっぽを向いて何も言わない優斗。