幼なじみ以上恋人未満【完】
「おいっ!」
仰向けにしてもびくともしない。
お母さんの顔色は真っ青だった。
優斗はお母さんの口元に顔を近づける。
「息はしてるな…唯、救急車呼んで」
冷静な優斗に対して、私は手の震えが止まらなかった。
動揺してスマホを持つのもやっとだった。
どうしようっ…
優斗のお母さんが…!
まもなくして救急車が来て、一緒に乗りこんだ。
優斗のお母さんは意識を失ったままで、呼びかけにも答えない。
手の震えが止まらなかったけど、そんな私の手を優斗がぎゅっと握っててくれた。
さっきは言い合いしていたけど、やっぱり自分のお母さんだもん。
優斗の方が不安なはずなのに励まされてるような気がした。
私って情けない…
こんな時、どんな言葉を掛けてあげればいいのかわからない。