幼なじみ以上恋人未満【完】
私の希望通り、最初は映画を観に行った。
優斗が観たいって言ってたミステリーのちょっと難しそうなやつ。
映画を観ている優斗のまなざしは真剣で、私は映画よりも優斗の方に見入ってしまっていた。
だって…真剣な顔もかっこいいんだもん。
エンドロールが流れた後、優斗が笑いながら私の方を向いた。
「意味わかんなかっただろ?」
「う、うん…」
映画の内容なんてあまり頭に入ってこなかった。
肘もちょこちょこぶつかったりしてたし…映画に集中できるわけないよ!
「だろーと思った。お前には難しい内容だったよな、わりぃ…」
そう言ってプッと吹き出す。
「ちょっと!またバカにしてーっ」
優斗はアハハと笑いながら立ち上がった。
「今度はお前の買い物に付き合うんだっけ?」
「うんっ…服が欲しくて…」