幼なじみ以上恋人未満【完】
色々な検査をしている間、私達は廊下の長椅子に座っていた。
2人ともずっと無言だったけど、手は繋いだままだった。
そのせいか手汗でびっしょりになった手が、ちょっと気持ち悪い。
それでも離したくないのか、優斗はぎゅっと手に力を込める。
「ごめんな。変な事に巻き込んで…」
「ううん。そんなの気にしないで、元はといえば私が原因かもしれないし…」
「そんなことねーよ」
「あるよ」
だって…
やっぱり優斗のお母さん、私の事嫌ってると思う。
正直、かなりショックだった。
「ばばぁさ。俺に自分の理想全部押し付けてくるんだよ。昔から成績はトップじゃねーと怒るし、友達関係とか女関係とかもイチイチ干渉してきてさ。マジうざかった」
私は隣で黙って聞いていた。