幼なじみ以上恋人未満【完】
「お母さん、少し休めば良くなるって言ってたし…大丈夫だよ」
「ん。あの人がそんなに疲れていたなんて気づかなかった」
「優斗には疲れを見せないようにしていたんじゃないの?」
「たまにしか会わねぇし、そんなのわかんねぇよ…」
くしゃっと髪を掻いた。
優斗はお母さんとどう接すればいいのかわかんないのかも。
「明日朝に病院行くんでしょ?」
「そうだな、必要な物持ってこいって言われたし」
「それ、私も一緒に行っていい?」
私が出る幕じゃないと思ったけど…
一度優斗のお母さんに聞いてみたいことがあった。
2人が歩み寄るきっかけになるかもしれない。
「逆に一緒に来てほしいって思ってた」
「うん。一緒にいこっ」
優斗は私の肩を掴んで自分の方に抱き寄せた。
「ありがとな」
耳元でそうつぶやかれてドキッとした。
優斗の役に立てるなら私はどんなことでもしたいよ。