幼なじみ以上恋人未満【完】
「そうね、私は子供にも素直に気持ちを伝えられなくて。逆にシングルマザーだからって周りからバカにされないように優斗には厳しいことばかり言ってしまっていたわ。私…母親失格なのよ。優斗にあんな事言われても当たり前なのよね…」
「あれは…本心じゃないと思います」
「え?」
あんな事、本当は言いたくなかったはず。
優斗だって、言ってしまった事をきっと後悔している。
「彼は…お母さんの愛情を待ってます!もう一度、優斗と向き合ってくれないでしょうか!?また後悔することになりますよ!?」
お母さんの目から涙がこぼれた。
それがすべてを物語っている。
お母さんも泣くくらい悩んでいたんだ。
優斗の事、泣くくらい愛しているんだ。
それが私には痛いほど伝わってくる。
優斗にもこの気持ち伝わればいいのに。