幼なじみ以上恋人未満【完】
ガラッ
その時病室のドアが勢いよく開いたので振り返ると。
フルーツの盛り合わせを持った優斗が立っていた。
「唯…お前ってホントおせっかいだな」
「優斗!」
「途中から聞いてた。なんか怪しいと思ったら…」
「ご、ごめん…」
出過ぎたことしちゃったかな…
でも黙って見ていられないよ…
優斗は私からお母さんの方へと目線を移した。
お母さんは涙を拭って俯いている。
「今の話、本当?」
その言葉にお母さんはゆっくりと頷いて顔を上げた。
「こんな事…口に出したことないけど…。私はあなたがいたから頑張ってこれたの。あなたがいなきゃ死んでいたかもしれないわ。優斗は…私にとって希望だったのよ」
シングルマザーでずっと頑張ってきた優斗のお母さん。
きっと周りから色々言われてきたんだと思う。
それでも女手一つでここまで育ててきたんだもんね。