幼なじみ以上恋人未満【完】
「そんなの…言ってくんなきゃわかんねーだろ…」
「ごめんね…優斗」
優斗のお母さんの目には再び涙が浮かんでいた。
「じゃあなんで…一番側にいてほしいときにいつもいなかったんだよ。俺はあんたをずっと待ってたのに」
「あなたを育てるために夜必死に働いてたけど最初の方はなかなかうまくいかなくて…私はあの頃まだ若かったし、仕事でストレスを抱えてたからあなたのこと放ったらかしにしてしまったこともあったのよね…でもね、私の心の中にはいつも優斗がいたのよ。あなたが小さい頃、もっと楽しく過ごしたかったのに…辛い思いばかりさせてごめんなさい」
そしてベッドの上で深く頭を下げ、そのまま震えながら泣いていた。
優斗はその様子をじっと見つめている。
拳は強く握りしめたままで。
「…もういいよ。わかったから頭上げろ」
お母さんの顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
私までもらい泣きしそうになった。