幼なじみ以上恋人未満【完】
「おいお前ら。後ろだからって見えねぇと思ってんだろ?」
突然お兄ちゃんの声がしたので咄嗟に優斗から離れた。
前に座っているお兄ちゃんと彩さんがこちらを見ている。
「ごめんね唯ちゃん…」
彩さんが苦笑いしていた。
「優斗、今日は俺もオヤジもいるし、うかつに手出せねぇよなぁ?」
お兄ちゃん!!
なんてことを…。
「それはどーだか」
「お前らさ、付き合ってまだ間もないだろ?」
な、なんか二人の間に険悪なムードが…
「蒼空に言われたくないね、お前なんて毎日相手とっかえひっかえしてたくせに」
ちょ、彩さんの前でそれは禁句なんじゃ…
案の定、彩さんの顔が曇る。