幼なじみ以上恋人未満【完】
優斗となら…別にいいのに。
その言葉が喉まででかかったけど、私は言わなかった。
「お前も、無理すんなよ」
優斗が私の頬に手を添え、ブニッと軽くつねった。
「む、無理してないよ!?」
「俺は唯とこうやってくっついてるだけで幸せだから」
そう言って、後ろから抱き締められる形になる。
優斗……優しいな。
こんなに大事にされて、なんだか涙が出てくるよ。
「うん…私もこうしていられるだけで幸せ」
付き合う前は、気持ちを隠しているのが辛かった。
優斗に気持ちがバレて、気まずくなるのが怖くて。
だからね、優斗の彼女になれて私は心の底から嬉しいんだよ。
「私、優斗と付き合えて一生分の運を使い果たしたかも」
「は?なにいってんだよ」
「今が人生の絶頂期だったりして」
「アホかよ。これからもっとお前を幸せにしてやるし」
「え?」
「覚悟しとけよ」