幼なじみ以上恋人未満【完】
「よ、よろしくね?私は桐谷唯」
「唯かぁー!可愛い名前!!」
ふと美緒の腕を見ると、ギブスをしていたから驚いた。
この前はしてなかったよね…
怪我したのかな?
「あ…これ?春休み中に骨折しちゃって…」
私の視線に気づいたのか、美緒がそう言った。
「そうだったんだ…大丈夫なの?」
「うんっ、今日は入学式だったし、何が何でも来たかったんだぁ」
美緒は笑顔が絶えない子だった。
目が合うだけでニコッと笑いかけてくれる優しい子。
私達はすぐに意気投合して、数日ですっかり仲良しの友達になった。
優斗にこの事をラインで伝えるか迷ったけど、今度会った時に言えばいいか~なんて考えていた。
優斗とは、あの日以来会っていない。
たまにラインしていたけど、会う口実がなかった。