幼なじみ以上恋人未満【完】
STEP2
届かぬ想い~優斗side~
「あんたがいなければ私は自由になれたのに」
「やっぱり雅人に渡せばよかった」
小さいころから何度もばばぁに言われてきた言葉。
この母親は俺がまだ意味をわかってないと思って言ってきてんのか?
俺はもう全部わかってんだよ。
物心がついた頃にはすでに父親と母親は仲が悪かった。
たまに俺の前でいい家族ぶったりしてたけど、俺にはわかっていた。
2人の関係が冷めきっていたことを。
だから離婚と聞いたときも驚きはしなかった。
ただ、俺は友達と離れるのが嫌でだだをこねたのを覚えている。
渉に蒼空に、
…そして唯。
あいつとも離れたくなかった。