幼なじみ以上恋人未満【完】
本当はあの日の帰りにでも告ろうと思ったんだけど。
俺だって、ずっと幼馴染だったやつに告るのは結構勇気がいる。
次会ったら
絶対言う。
そう決めていた。
「あれ?先輩トイレじゃなかったんですか?」
美緒の声に驚いてスマホを落としそうになった。
「あははっ!なにキョドってんですかぁ!?」
「ふざけんなよ、ビビらせんなアホ!」
美緒は大きな口で豪快に笑っていた。
こいつのこういう所、いいと思う。
他の女みたいに取り繕ったりしない。
「もしかして…彼女とか?」
にやけた顔で、俺のスマホを覗こうとしている。
「違うし」
「先輩って…今彼女いないんですか?なんかいつもいるイメージだったけど…」