幼なじみ以上恋人未満【完】
さすが運動部。
美緒の足はめちゃくちゃ速くて、なかなか追いつけねぇ。
「ちょっと…待てって!」
「放っておいてください!」
「そんなわけにいかねーよっ」
街の中を網ダッシュで走る2人。
通りすがりの人々が振り返る。
美緒の行く先の信号が、赤になったのが見えた。
しかし、美緒は走る速度を落とさない。
「おいっ!!赤だぞ!?」
美緒は俺の言葉に「えっ!?」と驚いた様子だったが、遅かった。
そのまま道路に突っ込んでいき、俺も美緒をかばうように突っ込んだ。
パァ―――ッ
っと、大きなクラクションが鳴っていたのを覚えている。