幼なじみ以上恋人未満【完】
「優斗…びっくりしちゃったね、雑誌…」
「ああ…。あの編集部の女、次会ったらタダじゃおかねぇ…」
「まぁまぁ。カップルじゃないって言わなかったうちらも悪いんだし…」
「そうだけど…」
「美緒のことが心配…だよね」
「……」
唯には突っ込まれたくねぇ。
「ふ、2人が付き合ってるの知らなくて本当にびっくりしちゃったよぉ~いつの間にって感じ…」
唯は普通に笑っていた。
俺が誰と付き合おうと、唯はなんとも思わねぇんだもんな…
「俺…帰るわ」
そう言って階段を下りようとしたとき。
後ろから「あ、待って…」と唯の声がしたから振り向くと…
唯がスリッパにつまづき、転びそうになっていた。
俺は咄嗟に唯の腕を掴んで自分の方へと引っ張った。