幼なじみ以上恋人未満【完】
風呂に入ったのか、シャンプーの香りがした。
このまま、抱きしめていたくなる。
唯は小さくて、少し力を入れたら折れちまいそうだった。
恥ずかしそうに顔を赤く染めている。
「ご、ごめんね…」
「あぶねぇな…なんもないとこでコケるとかってありえねぇ。ホントどんくせーな」
「スリッパが脱げそうになったんだもんっ…」
少し震えているようにも感じる。
俺は無意識に抱きしめる力を強めていた。
「ゆ、優斗…?」
「ったく、危なくて放っておけねぇ。お前一人で生きていけんの?」
「大丈夫だし!そ、それに…いつか私を守ってくれる人現れてくれるはずだもん…」
その言葉に右目がひくついた。
唯を守ってくれる奴?