幼なじみ以上恋人未満【完】
「気味悪いだなんて失礼だよ。ねぇ?」
その声に振り向くと、渉君がさわやかな笑みを浮かべていた。
「渉君!おはよー!」
「おう、渉」
お兄ちゃんも振り向いて渉君に挨拶した。
渉君ちはうちから徒歩5分くらいの場所にあって、近いから朝たまに会う。
「朝から蒼空は口が悪いなぁー」
「だよねー?渉君の爪の垢でも飲ませてあげたいよ!」
その言葉にお兄ちゃんは目を細めて馬鹿にするような顔をした。
「きったねぇー!飲みたくもねー!渉だって腹の中では何考えてっかわかんねーぞ?天使みてーな顔してて裏では極悪なことやってっかもな」
「そんなことないし!渉君は純粋で優しい人だもんっ」
そう言うと渉君が隣でフフッと笑った。
「唯は俺の事そう思ってくれてたんだ」