彼の鯛焼きにはあんこが入っていない
「聞いてませんけど⁉︎」
「言ってねーもん」
「帰ります‼︎」
「もう遅い‼︎」
「紐、解いて下さい‼︎」
「だから遅いって‼︎往生際がわりぃ女だな」
「伊達です‼︎伊達美沙です‼︎」
「じゃ伊達ちゃん、一つ頼むわ」
「じゃ西山さん、アンコ、投げて下さい」
「ばっ、ばか言うな‼︎」
「あ、ホントに小豆が苦手なんだぁー」
「こっち持ってくんなよ‼︎」
「ほーら小豆小豆」
「向こう行けって‼︎」
「じゃ解いて‼︎」
「それでは登場して頂きましょう‼︎みんな大好き鯛焼き、コゲコゲ君です‼︎」
「左だぞ‼︎」
「左⁉︎」
「せーの‼︎」
「痛っ‼︎」
「バカ‼︎左だ‼︎」
「だからぁー‼︎私のほうから見て左じゃないの‼︎」
「ちげーよ‼︎いい加減、覚えろ‼︎立つぞ‼︎」
「なによその言い方‼︎」
「いって‼︎お前、小豆投げたな、あっ‼︎小豆‼︎うわっ‼︎きったねー‼︎」
「ちょっと暴れないでよ‼︎」
「うわうわっ‼︎」
「もう、知らない‼︎」
(餡)