ラブレッスン
心配?よく言うわよね。
誰のせいでこんなに注目浴びてると思ってるの?





けれど、そう文句を言うつもりも悪態つく気も無かった。無くなっていた。





「参ってたけれど、誉められて悪い気はしてなかったって気付いたのよ。

だから思ったよりも平気になった所よ。」





お弁当を出して蓋を開けて箸をつける。





『だから、自分の思いに気づかなかったって言ったんですか?』






「…ええ。そんな感じね。」






本当はそれだけじゃない。




気付いた事はもうひとつある。





相田部長に対しての憧れが、別の淡い感情に変化したという事実。






それを自覚してしまったということを結城歩にわざわざ言う必要は…ない。





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