ラブレッスン
連日来られたりなんてしたらいくら否定したって、
誰も信じなくなるわ。





結城歩が来る前にどこかで落ち合う連絡つけなくちゃ!





慌てて返信画面を開いて、本文作成画面打ち込みを始める。





『由宇さん!仕事終わりましたか?』





出入り口から聞こえて来た声に携帯片手にガックリと項垂れてしまった。





ま、間に合わなかった…





メール送信してから1、2分しか経ってないわよ!?




来るのが早すぎるのよっ!!





急いで出入り口付近に走りよって結城歩の体を企画部から遠ざけるように押しやる。





中から見えない場所まで押しやってから辺りを見渡し、今日は誰もいないことを確認してから口を開いた。




「今日は何の用?
私まだ仕事終わってないのよ。

断りのメール来るまで待てなかったわけ?」






本当はもう帰ろうとしてたんだけど、それを言うのはなんだか相手の思うつぼの様な気がして、嘘をついてしまった。





そんな私を覗き込んでジッと見てくるからつい目を逸らしてしまう。





嘘ついてるのバレたかしら?
なんか結城歩には全部見透かされてそうに感じてしまう。




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