ラブレッスン
『これから一緒に洋服見に行こうかと誘いに来たんです。

姉が働いてるショップ、割かし由宇さんに似合いそうな服多い気がして。

俺が一緒だと家族割引で3割から半額まで安く出来るらしいんです。良い話だと思いません?』






確かに良い話かも。
少し外見に気を使わなきゃと思い始めた私の今まで着ていた服なんて、きっともう用無しになるだろうし。




割引きは、たくさん買いなおさなくちゃいけないだろう私に、美味しすぎるお誘いだわ。






だけど、仕事がまだ残ってると嘘ついちゃったし……





『そんなに遅くならないなら、自分のデスクで仕事の残処理しながら待ってます。

終わったら電話下さい。』




そう言って私の返事も聞かずに営業部のある方へとスタスタと足早に歩いて行ってしまった。




とりあえず、ここから追い払うことは出来たけど、どれだけ時間潰してから連絡すればいいのかしら。





30分?1時間?
それ位で出来る仕事って何か残ってた?




下手な嘘はつくもんじゃないわ。
なんだかとても悪いことしてしまった気分になるのね。




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