ラブレッスン
『やっぱりそういう事か…。』






独り言のように呟いた結城歩は、私の腕を掴んでスタスタと歩き始める。





「何がそういう事か、よ!
どうするのよ!せっかく誤解を解いたばかりだったのに、……サイアクよ……』





よりによって相田部長にまた誤解されてしまったのよ?









引きずられるようにエレベーターに乗せられて、ドアが閉まった瞬間に怒鳴り付けた私を、無言で見下ろす。






『由宇さん、前に部長の事好きなんだって俺が言ったら否定しましたよね?

だったらなぜそんなに怒るんですか?』






「ーっ!!これ以上誤解されたくないからよ!」






『……好きなんですね?部長が。』






真っ直ぐ見つめられて聞かれたら





答えられなくなるじゃない。





きっと違うと嘘ついたって
結城歩には見透かされてしまうに違いないわ。






肯定も否定も出来ずに俯いた私に痛いくらいの視線が注がれる。





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