ラブレッスン
まさか、外見だけじゃ飽き足らずに私の片想いにまで首を突っ込む気!?




そんな事を考えて、怒りが込み上げてきて繋がれた手を振りほどこうとした。




けれど逆にギュッと強く握られて、振りほどけない。




『恋すると綺麗になるっていうし。

そうすれば俺を満足させて解放される日もグンと早くなるかもしれませんよ?』




む、ムカつくっ!!





人の気持ちま興味の対象なワケ?




チラッと後ろを一回振り返って私を見て、また前に向き直る。






『怒らないで下さい。
俺は由宇さんの味方です。

由宇さんが……
幸せになれるなら…』






口調が急に弱々しくなっていく。






「どうしたのよ。」






不意に立ち止まり繋いでた手をパッと離されて、振り向いたその顔は
不敵な笑みを浮かべてて。




口調と一致しないその笑顔に違和感を感じて無言で見つめる。






『とにかく!早く俺を満足させるくらいの女になってくださいね!

恋愛に疎いようじゃまだまだしおりも返せませんよ?』





いつもの口調で話す結城歩に、




やっぱりサイアクだと思ってしまった。



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