ラブレッスン
店を出て腕時計を見てる結城歩に追い付いて、紙袋に手をかけた。





「自分で持つから。あとお金!これはいくらなんでも自分で払うわよ。

今持ち合わせがないからキャッシュコーナーで下ろして…」

『今からだと手数料かかるし、とりあえず今度でいいです。』





受けとる意思を確認してホッとする。





『荷物多いし、送ります。
けどその前に何か食いませんか?腹減りません?』





「お店紹介してくれたお礼に私が食事代払うの許してくれるなら、食べに行っても良いわよ。」




『それは、出来ません。

女に支払わせるなんて格好がつかない。』





道端でそんな押し問答を数回繰り返した結果






「だったら家で何か作るから食べて帰って!

それで文句ない?」





勢いで言ってしまった言葉に、結城歩がポカンと口を開けて私を見ていた。




「何よ。私、料理はそこそこ出来るわよ。そんな驚かなくてもいいじゃない。」




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