ラブレッスン
『あ、部長!手伝いに来てくれたんですか?』





飲み物を買いに行ってた白岩チーフが戻ってきて、
テーブルの上で握られていた手を急いで下へと隠した。





『ああ。後から皆も手伝いに来るよう言っておいたよ。』





「!?」





下に隠した手を、また強く握りしめられて、思わず相田部長を見上げた。





『遠藤さんに手伝わせておいて、ひとり休憩はいけないな。』




相田部長は手を握りながら何事もなかったように入り口付近にいる白岩チーフに笑顔で話しかけている。






入り口からだと山積みになった資料を乗せたテーブル越しにいる私たちの手は見えない角度ではある。





私は白岩チーフにバレないように手をほどこうと軽く振った。





けれど更に強くギュッと握られてしまう。





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