ラブレッスン
そのまま席に座って見なかったフリをした。




けれど、




『遠藤由宇さ〜ん!お話がありま〜す。』




大声で叫ばれて、企画部内全員分の視線を受ける。




後ろの席からは甲高い声で、沢木さんが声をかけてきた。





『遠藤さんっ。結城さんとお知り合いなんですか!?
話があるって一体何の話ですか!?』




ああそういえば、狙ってるんだっけ?
昨日そんなような事言ってたわね。






訪ねてきた人物
それは結城 歩だった。




彼の頬には、怪我を連想させる大きな湿布が貼られてる。





はっ!…まさか慰謝料の請求でもしにきた!?





私より元・彼女のビンタの音の方が痛そうだったわよ!?





混乱して頭を抱えた私の腕を、誰かが掴んできて驚いて顔をあげると





『すぐ済みますから、ちょっと来てくれます?』





ニッコリと笑いながら、私の腕をがっしりと掴み、結城歩がすぐ脇に立っていた。



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